金沢から40分。田んぼの真ん中に現れる“旨い店”
北陸の初夏、風に揺れる田んぼの緑が美しい6月1日。石川県金沢市から車を走らせること約40分、向かったのは富山県南砺市野尻にある「サッポロラーメンマリモ」。まるで映画のワンシーンのような田園地帯に、ぽつんと建つその店構えは、知らなければ通り過ぎてしまうほど素朴。しかし、店先には日曜夕方にもかかわらず、次々と車が入り、列をなすお客さんたち。地元の人々に長年愛され続けてきた、知る人ぞ知る名店です。
名物「味噌ラーメン」は炒め野菜の旨味とスープのコクが絶品
今回の目的は、店一番の人気メニュー「味噌ラーメン」。筆者はチャーシュートッピングを2枚追加してオーダー。ほどなくして運ばれてきた丼からは、立ち昇る湯気と味噌の香ばしい香り。スープは動物系の出汁に加え、炒めたもやしやキャベツの甘みが染み出した、まろやかで深みのある味わい。食べ始めると止まらず、一気に箸が進みます。
麺は太めの縮れ麺で、濃厚なスープをしっかりと持ち上げてくれるため、一口ごとに満足感があります。追加したチャーシューは厚切りで、柔らかく煮込まれており、口の中でほろっと崩れる食感。しっかりとした肉の旨味もあり、ラーメン全体の完成度をぐっと引き上げていました。
サイドメニューも一切手抜きなし！！ぎょうざ・から揚げ・おにぎりが絶品
ラーメンのクオリティに感動しつつ、続いて味わったのがサイドメニューの数々。まずはぎょうざ。ひとつひとつが大ぶりで、皮はパリッと焼かれ、中はにんにくがしっかりと効いたジューシーな具がぎっしり。ビールが欲しくなる味です。
次に運ばれてきたのはから揚げ（小サイズ）。小サイズとはいえ存在感があり、サクサクの衣と肉汁あふれる鶏肉のバランスが絶妙。ラーメン屋とは思えない本格的な味わいに驚かされます。
そして、今回最も印象に残ったのが「昆布のおにぎり」。注文後に炊きたてのご飯をその場で握ってくれるため、ふっくらとした仕上がり。昆布の甘辛さとご飯の自然な甘みが調和し、シンプルながらも記憶に残る一品でした。
実は焼肉メニューもある！？多彩な顔を持つラーメン店
サッポロラーメンマリモの魅力は、ラーメンとサイドメニューだけではありません。店内のメニューには、なんと「ジンギスカン焼き」や「豚肉焼き」といった、まるで焼肉店のような料理が並んでいます。これらは地元客の間で“飲みにも使えるラーメン屋”として知られており、居酒屋的な使い方をする方も多いようです。
広々とした店内には、カウンター席、テーブル、小上がり、さらに予約制の座敷まで完備。ひとりでも、家族連れでも、仲間と一杯飲みながらでも楽しめる、懐の深い店です。
SNSでも話題！口コミで高評価が絶えない理由
Googleや食べログ、SNSでの口コミを見ると、ほとんどが高評価。特に味噌ラーメンの濃厚なスープと、チャーシューのボリューム、そして接客の温かさを評価する声が目立ちます。また、「田んぼの中にあるのに、なぜこんなに人が集まるのか」「おにぎりが美味しすぎる」など、驚きを含んだ口コミも多く見受けられます。
筆者も実際に訪れて、その理由を肌で感じました。派手さはないものの、ひとつひとつの料理に真摯に向き合っている姿勢が、味にも空間にも表れており、訪れた人の心を掴んで離さないのでしょう。
心もお腹も満たされる、田園の中の名店
富山県南砺市にある「サッポロラーメンマリモ」は、アクセスの良さとは言い難い場所ながら、常に人が絶えない本物のラーメン店。味噌ラーメンをはじめとした料理の完成度はもちろん、ラーメン店の枠を超えたバリエーション豊かなメニューと、温かい接客が魅力です。
地元民にとっては「いつもの味」、遠方から訪れる人にとっては「わざわざ訪れる価値のある一杯」。北陸を旅するなら、ぜひ立ち寄ってみてください。心まで満たされる時間が待っています。
店舗情報
- 店名：サッポロラーメン マリモ
- 所在地：富山県南砺市野尻467
- 電話番号：0763-22-5627
- 営業時間：
- 11時00分〜20時30分（ラストオーダー：20時00分）
- 14時30分〜17時00分は準備中です。
※体力の限界来たら閉めることあるそうです。
- 定休日：月曜日
- 座席数：54席（カウンター・テーブル・小上がり・予約制座敷）
- 駐車場：店舗前・店舗裏にあり
- アクセス：JR城端線「高儀駅」から徒歩約16分（約1.2km）
- 予算目安：ラーメン800円前後、サイドメニュー200〜500円程度
- 備考：クレジットカード不可、完全禁煙、人気店のため昼夜ともに行列の可能性あり
※営業時間・定休日・価格は訪問時点の情報です。訪問前に公式情報をご確認ください。